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  ニュース     2022/11/21 15:30

中国車市場、中大型MPVが新たなブルーオーシャンに 無料記事

 中国のMPV市場は競争は厳しいものの、SUV市場と比較した場合、まだ製品数も少ないことから、競争圧力も小さく引き続きブルーオーシャン市場(未開拓市場)といえる。市場全体の規模は大きくないが、過去2年間でMPVの代表格と言える広い車内空間のミニバンが牽引する形で、特に中高級MPVの割合が年々拡大している状況だ。21世紀経済報道が18日付で報じた。
 業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)によれば、中国MPV市場の平均取引価格は今年9月に前月比5.8%高の21万9800人民元(約431万円)に伸びた。うち30万人民元を上回る車両の販売台数が全体の31%を占めている。
 国策も追い風。全ての夫婦に子供を2人まで持つことを認める「2人っ子政策」の導入で多子世帯が徐々に増加するとともに、消費の高度化が進展している。快適性と広い空間を兼ね備え、様々な生活シーンに対応するMPVが中国エリート家庭の新需要となっているようだ。こうしたなかで、合弁企業がMPV市場の開拓を加速。広汽豊田(広州汽車とトヨタとの合弁)の「賽ナ(Sienna)」、起亜の「嘉華(Kia Carnival)」、北京現代の「庫斯途(CUSTO)」など新たな中大型MPVが相次いで販売され、好評を得ている。
 11月18日には、一汽豊田が中大型MPV「格瑞維亜(GRANVIA)」の予約販売を開始。4モデルが投入され、予約販売価格は35万8800〜41万5800人民元に設定された。従来のMPVとは異なり、「格瑞維亜」はビジネス、ファミリーなど各種の使用が可能な多目的な設計になっている。
 国海証券は、中高級MVPモデルの投入が加速し、MPVの新たな成長サイクルが始まったと指摘。MPV市場が2026年には300万台に達し、中国自動車市場の新たなブルーオーシャンになると予測している。乗聯会の予測によれば、22年国産MPVの小売販売台数は102万〜110万台に達する見込み。また易車研究院は、MPVファミリー化の流れが自動車メーカーのSUV戦略転換を促進し、SUVのMPV化を加速させると分析している。


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