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  ニュース     2023/04/12 16:32

中国の新車市場「二極化」、BYDとテスラの存在感強まる 無料記事

 中国の新車販売市場でも「二極化」の動きが加速している。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)によると、今年第1四半期の乗用車(マイクロバスを除く)小売台数は、中国全体で前年同期比13.4%減の426万1000台に低迷した。新エネルギー自動車(NEV)が前年同期比で約24万台増の131万3000台に拡大する一方、ガソリン車は90万3000台減の294万8000台に縮小した。前年同期の385万1000台から23.4%も減少している。21世紀経済報道が11日付で伝えた。
 今年3月の乗用車売れ筋モデル10種のうち、8種はNEVとなっている。うち最多の比亜迪(BYD:1211/HK)は4車種を独占した。テスラは「Model Y」が首位、「Model 3」が10位。広汽埃安(GAC AION)の「AION S」と上汽通用五菱(上汽GM五菱)の「宏光MINI EV」は2万台をそろって超えた。半面、ランクインしたガソリン車は、エントリーモデルの上汽VW「ラヴィーダ」と東風日産「シルフィー」にとどまっている。今年の乗用NEV販売は900万台に上ると予測されるなか、ガソリン車勢の苦境は深まる恐れもありそうだ。
 ただ、NEV勢の販売動向も足元で「成長組」と「停滞組」に二極化してきている。大手のBYDとテスラがコスト競争力とブランド力を背景に販売を伸ばすなか、下位メーカーは苦戦を強いられるようになった。各メーカーによる第1四半期の中国EV販売実績は、BYDが前年同期比92.9%増の55万2000台、テスラが25.9%増の22万9000台に拡大。それぞれのEV販売シェア(34.8%、14.5%)を合算すると49.3%に達し、市場全体の約半分を占めた計算となる。さらに広汽埃安(71.4%増の9万1000台)、長安深藍(89.5%増の8万5000台)、理想(65.8%増の5万3000台)も高成長を謳歌した。
 これらを除いた場合、蔚来集団(9866/HK、NIO/NYSE)、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)、問界(AITO)、浙江零ホウ科技(LEAP:9863/HK)、ナタ汽車(NETA)など多数の新興EV勢は成長の壁に直面しているようにも見える。「EV」が中国新車市場の激戦区となるなか、生き残りをかけた販売競争は今後、一段と過熱しそうだ。




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