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  ニュース     2023/12/07 17:00

中国の第4世代原子炉、石島湾で世界初の商用運転 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】168時間の連続発電試験を6日に完了し、第4世代原子炉(高温ガス冷却炉:GFR)の商用運転が世界で初めて始まった。ペブルベッド型高温ガス冷却炉の実証炉「HTR-PM」は、山東省・栄成市寧津鎮(青島市の北東230km)の石島湾に設置。第1期事業プロジェクト「華能石島湾高温気冷堆核電站示範工程」の発電容量は20万kWに上る。中国政府系メディアが伝えた。
 原子炉設備の国産化率は93.4%。1基目は設備2200台(セット)で構成される。うち600台は新規開発だ。
 投資額30億人民元(約616億円)の第1期は、2012年12月9日に正式着工し、2021年12月に送電網と接続されている。その後、本格稼働に向けて調整を繰り返してきた。
 高温ガス冷却炉の開発分野で、中国は世界を先導している。1995年6月、熱出力1万kWの実験炉「HTR-10」が清華大学内で着工。2000年末に臨界に達し、2002年末に正常運転を開始した。
 第4世代原子炉(ガス冷却高速炉、鉛冷却高速炉:LFR、溶融塩炉:MSR、超臨界水冷却炉:SCWR、 ナトリウム冷却高速炉:SFR、超高温原子炉:VHTR)技術は米国、ドイツ、日本、ロシアも開発を進めているものの、これらは足元で研究段階に過ぎない。中国は実証炉の商用運転に世界で初めて乗り出した。


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