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  ニュース     2024/03/28 15:22

中蘭首脳会談、デカップリング拒否で一致 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】オランダのマルク・ルッテ首相が訪中し、27日に北京の人民大会堂で習近平・国家主席と会談した。両者はデカップリング(分断)とサプライチェーンの切断を拒否する姿勢で一致した。同日の央視網などが報じた。

 習首席は「デカップリングは行き詰まる。開放と協力が唯一の選択肢だ」と強調。ルッテ首相は「デカップリングとサプライチェーンの分断はオランダの政策オプションでない。なぜならば、中国の発展利益を損なう行動は全て自身を傷つけるためだ」と応じた。

 オランダは昨年、先進プロセス用半導体設備業者の輸出を一律で事前許可制とした。米国の圧力を受けて、中国を念頭に規制を強化したものだ。同国の半導体設備最大手、AMSLは今年1月、一部のローエンド深紫外光(DUV)も中国への輸出許可が得られなくなっていると指摘していた。

 ただ、2023年のオランダから中国への半導体設備輸出額は、規制本格化前の駆け込み需要によって前年比2.8倍の72億3000万米ドル(約1兆900億円)に拡大。ASMLは同年、中国が売上高全体に占める構成比が29%と前年の14%から倍増した。中国の市場としての重要性が改めて示された形だ。

 今回の首脳会談では、半導体設備の輸出規制に関するやりとりが最も注目されたが、中国メディアは具体的な内容を報じていない。首相訪中に同行したファン・ルーウェン同国貿易相は「ASMLの利益を守ることが私の第一の任務だ」と語っている。


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