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  ニュース     2020/02/12 18:59

新型肺炎の流行で米中「デカップリング」加速へ=米シンクタンク 無料記事

 中国武漢市を中心に感染が広がっている新型コロナウイルス(COVID-19)をきっかけに、「米中間でさらにデカップリング(経済など各種関係の分断)が加速する」との見方が浮上している。米シンクタンクであるミルケン研究所のアジアフェロー、Curtis Chin氏が11日に示したものだ。
 すでに米中貿易戦争でサプライチェーンや投資、貿易、技術などの各種関係が弱まりつつあるうえ、今回の新型肺炎の件を受け、特に米国企業によるサプライチェーンの多様化が一段と進むとみている。昨年は、米中が追加関税を相互に掛け合ったほか、米国側は中国に対して「知的財産権の盗難」や「強制的な技術移転」に関する非難を強めていた。
 実際、ウィルバー・ロス商務長官は1月下旬、「中国での新型コロナウイルスの流行によって、米企業がサプライチェーンを再考し、雇用・製造設備を米国に戻すかもしれない」との認識を示していた。一部が米国、一部がメキシコに移転されるとみている。
 なお、先月調印された「米中第1段階の合意」についてChin氏は、新型コロナウイルスの流行が実行面での「逃げ道」を提供する可能性を指摘した。「多くの面で合意の実行は凍結されている。北京からワシントンに交渉者が出向くことはないだろう」と述べた上で、「興味深いことに、新型コロナウイルスは双方に言い訳をもたらした。すぐに合意を実行できなくても、コロナウイルスのせいにできる」との見方を示している。


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