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  ニュース     2022/03/28 18:00

中国:NEV後半戦、勝敗カギは自動運転=工業情報化部の前部長 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】新エネルギー自動車(NEV)の分野に関し、中国は前半戦で世界的に優位な立場を築いている。生産技術や動力電池性能を急ピッチに向上させたためだ。生産・販売の世界最多を7年連続で達成した。世界のNEV市場は今後、勝敗を決める後半戦に突入する。全国政協経済委員会の苗墟・副主任(工業情報化部の前部長)が26日、「中国電動汽車百人会フォーラム」で語った。 
 中国のNEV市場は、3段階で成長を遂げている。2009〜12年の「10都市1000台モデル運用期」、2013〜15年の「普及推進期」、2016〜22年の「急速発展期」を駆け抜けた。動力電池、モーター、コントロールユニットなどの性能も大幅な改善を達成。うち電池に関しては、2017〜21年にかけた5年間で1キログラム当たり密度が三元系リチウムで143→206Wh(↑44.1%)、リン酸鉄リチウムで117→167.4Wh(↑43.1%)にそろって高まった。電池システムの1Wh当たりコストも1.43→0.84人民元(27.3→16.0円)に41%向上したという。
 ただ、ここにきて電池原材料の価格高騰という難問に直面した。国際相場の値上がりが波及し、川上企業による売り惜しみが横行するようになったと指摘。完成車メーカーにとって逆風になっていると問題視した。
 一方、充電設備の普及はポジティブな効果をもたらしている。21年末時点の設置数は、公共用で114万7000基(うち直流急速充電47万基)、個人・単位用で67万7000基。合計で全国261万基に拡大したと評価した。
 また、今後の勝敗を決する技術について、「自動運転」を上げている。全自動車に占めるACC(先導車追従走行)、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)、LKS(車線維持システム)、APA(自動駐車支援)など「レベル2」技術の搭載比率は21年時点で22.2%に達したと紹介。全国で自動運転モデル地域が16カ所、国家レベルのスマートコネクテッドカーモデル地域が4カ所ずつ指定された点を評価した。今後に関しては、世界を主導するためにもV2X(車車間・路車間無線通信)技術の開発などを強化するべきと提言。車載半導体チップ、オペレーションシステム、エッジコンピューティングなどの技術確立を加速し、「レベル3」「レベル4」を早期に実現するよう訴えた。


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