【亜州ビジネス編集部】中国が二酸化炭素（CO2）排出削減に取り組む姿勢を一段と鮮明化している。当局の工業和信息化部（工業情報化部）は3日、「第14次5カ年の工業緑色発展計画」を公布。工業産業構造の改善、生産プロセスの低炭素化、低炭素化技術・装備の広範な応用、資源・エネルギー利用効率の大幅引き上げ、グリーン生産技術の全面向上を推進すると通知した。

　2021〜25年にかけた低炭素化を基礎に、30年の工業分野カーボンピークアウト実現を目指す。エネルギー高消耗の新規事業プロジェクトに関し、無秩序な遂行を阻む方針を強調した。節電、節水、汚染物排出削減を強化する。

　25年段階の目標として、単位当たり工業増加値（付加価値額）のCO2排出18％引き下げに設定。鉄鋼、非鉄金属、石油化学工業、建材に関しては、総量規制の成果が確実に表れるよう求めた。また、粗鋼、セメント、エチレンなど重点工業製品の生産時のエネルギー消費効率を世界先進レベルにまで引き上げる。一定規模以上工業の単当たり増加値について、エネルギー消費量を13.5％引き下げるよう要求した。産業のスマート化、グリーン化を達成するために、製造分野のデジタル化を推し進める。主要資源の年間リサイクル量4億8000万トン、グリーン・環境保護産業の年産額11兆人民元（約195兆円）を目標に据えた。

　交通分野のカーボンピークアウトを視野に、新エネルギー（NEV）自動車など省エネルギー製品の普及も加速する。充電ステーション、動力電池交換ステーションの整備を進めるよう命じた。老朽化船舶を廃棄し、グリーン・スマート船舶を投入する。

　中国は5カ年計画で製造業のエネルギー消費効率向上、低汚染化を同時に推進する戦略だ。国家発展改革委員会もこのほど、「第14次5カ年計画の全国清潔生産推進案」を公布。エネルギー消耗量の多い産業を中心に、省エネルギー、CO2排出削減を強化する方針を打ち出した。環境保護、安全に関する法律を厳格に適用し、生産性の低い老朽化設備の廃棄に取り組む。クリーン生産に絡んだ審査、認証の制度を全面導入すると通知した。


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