【亜州ビジネス編集部】中国の一部メディアは21日、当局が年内、オンラインゲームの新規リリース審査を停止する方針――と報じた。業界各社に対し、春節（旧正月）前にすでに通知されていたと伝えている。一方、新浪科技が国家新聞出版署に問い合わせたところ、同署はこの報道について直接の回答を避けた。ただ、「現在も引き続き申請を受け付けている」とコメントしている。香港紙・明報など複数メディアが22日までに伝えた。

　中国ではオンラインゲームを新しくリリース（出版）する際、「版号」と呼ばれる許可番号を取得する必要がある。一部メディアは21日、当局が今年いっぱい、「版号」の新規付与を停止する方針と報じた。引き続き青少年のゲーム中毒防止措置を強化し、ディストピアをテーマとした作品や女性的な男性、日本軍国主義の美化、無政府主義などの内容を厳しく監督し、これらを一律で認めない方針を示したという。この報道を受け、同日の香港マーケットでは騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）などゲーム関連銘柄の株価が大きく下落した。

　前述のように、当局は「現在も引き続き申請を受け付けている」とコメントしているものの、昨年7月から国産ゲームの審査が停止していることは事実だ。国家新聞出版署は1カ月に1回程度のペースで承認した新作タイトルのリストを公表していたが、同署のウェブサイトでは昨年7月分（7月22日発表）の発表を最後に、リストの更新がストップしている状況が続いている。

　もっとも、ゲーム各社への影響は限定的との見方もある。易方資本投資のアナリストは、「版号」付与は半年にわたり停止しているものの、ゲーム各社は既存のタイトルで市場の需要に十分に対応できると指摘。売り上げへの影響は大きくないとの見方を示している。


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