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  ニュース     2021/11/24 18:00

中国:10〜12月GDP成長率3.9%に鈍化へ、シンクタンク予想 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国人民大学系のシンクタンク、中国マクロ経済フォーラム(CMF)は最新リポートで、今年第4四半期(10〜12月)の中国GDP(国内総生産)成長率が3.9%になるとの見通しを示した。第3四半期(7〜9月)の4.9%から一段と鈍化する見込み。中国のマクロ経済は回復基調を維持しつつも、下半期はそのペースが鈍化したとみている。香港経済日報が23日伝えた。
 人民大副校長で、CMF共同主席でもある劉元春氏は、今年第2四半期(4〜6月)以降に中国経済が逆風に直面したと指摘。中国経済が再び回復ペースを加速するには、◆石炭・電力不足を短期的に解消できるか、◆融資規制の緩和が不動産市況を改善できるか、◆車載半導体の不足を短期的に緩和できるか――といった問題に関わってくると分析している。
 21年通年の成長率については、CMFは8.1%を予想。政府目標の「6%以上」を達成すると見込んだ。
 一方、足元で経済成長が再び鈍化する中、中国当局が政策スタンスをやや緩和的な方向に傾けつつあるとの見方も浮上している。中国人民銀行(中央銀行)が先週19日に発表した四半期ごとの金融政策執行報告では、前四半期の報告書にあった「通貨供給のバルブをしっかり管理する」「ばらまき式(の金融政策)は行わない」といった文言が削除される一方、「融資総量の伸びの安定性を強化する」との表現が追加された。
 野村のエコノミスト、陸挺氏は最新リポートで、足元の会議や報告書から中国当局が経済成長の下振れを懸念している様子がうかがえると指摘。景気の一段の鈍化を防ぐため、政策スタンスの調整にすでに着手しているとの見解を示した。向こう数カ月内に預金準備率が引き下げられる可能性が高まったとみている。


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