中国商務部は16日、レイセオン・ミサイル＆ディフェンス（レイセオン・テクノロジーズの子会社）とロッキード・マーチンの米軍需企業2社を「信頼できないエンティティーリスト」に加えると発表した。台湾への武器売却に関与したことを理由に、2社に対して◆中国に関連する輸出入の禁止、◆中国国内への新規投資の禁止、◆幹部の中国入国禁止、◆中国国内で勤務・居住する許可の取り消し――を命じたほか、◆台湾と結んだ武器売却契約の2倍に相当する罰金を科す。
　同日付CNBCによると、この制裁が対象2社にどのような影響を及ぼすかは不明だ。米国は元々、武器関連技術の中国への販売をほぼ禁止しているため。ただ、一部の軍需企業は、航空宇宙・その他市場で民間事業も手掛けている。
　レイセオンは昨年9月、台湾の軍事レーダーを更新する契約（4億1200万ドル、約555億円）で合意した。また、ボーイング・ディフェンスもハープーン・ミサイルの供給契約（3億5500万ドル）で合意している。中国側は当時、2社のCEOに対する制裁措置を発表したが、その詳細は明らかになっていない。このほか、ロッキード・マーチンも台湾軍にレーダーやヘリコプター、航空管制機器を供給した。
　一方、これに先立つ今月10日、米国は中国企業6社・単体を禁輸リスト追加している。米商務省産業安全保障局（BIS）は10日、米国からの輸出を規制する対象リスト「エンティティー・リスト（EL）」に、中国の大型気球プログラムに関連しているとされる航空宇宙企業6社・団体を追加すると発表した。米国の国家安全保障・外交政策上の利益に反する活動を支援していると疑っているため。米国からこれら団体に製品・サービスを輸出する場合、事前にライセンスの取得が必要になる。
規制対象は以下の中国6社
◆Beijing Nanjiang Aerospace Technology Co., Ltd.（北京南江空天科技公司）
◆China Electronics Technology Group Corporation 48th Research Institute（中国電子科技集団公司・第48研究所）
◆Dongguan Lingkong Remote Sensing Technology Co., Ltd.（東莞凌空遥感科技公司）
◆Eagles Men Aviation Science and Technology Group Co., Ltd. (●格斯曼航空科技集団公司、●＝金偏に衣)
◆Guangzhou Tian-Hai-Xiang Aviation Technology Co., Ltd.（広州天海翔航空科技公司）
◆Shanxi Eagles Men Aviation Science and Technology Group Co., Ltd.（山西●格斯曼航空科技集団公司、●＝金偏に衣）


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