中国共産党大会の開幕を今月16日に控え、中国証券監督管理委員会（証監会）が海外の投資銀行に対し、政治的に「敏感」な内容のリポートの発表を控えるよう要請したもようだ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が9月30日、消息筋情報として伝えたもの。ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースなどが対象になったという。
　ただ、証監会はWSJの取材に対して、この情報は「事実でない」と否定。情報を拡散しないよう求めたとされる。
　報道で名前が挙がったゴールドマンはこれより先、中国が共産党大会後に「ゼロコロナ」政策を見直す可能性は低いとするリポートを発表。同政策の見直しは、来年3月の全国人民代表大会（全人代、国会に相当）以降になるとの見方を示した。JPモルガンは未完成住宅を巡るローン不払い問題について、米サブプライムローン危機のようなリスクとなる可能性をリポート内で分析していた。
　重要イベントの党大会を前に、中国当局による株価安定化の観測はかねて浮上。ロイター通信はこれより先、中国当局が一部のファンドや証券会社に対し、共産党大会の開催前と期間中に株式市場の安定を維持するよう指示したもよう――と報じた。ただ、当局関係者はこの報道を「事実ではない」と否定している。


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