ニュース 2022/12/22 12:41
米輸出規制、中国半導体業界の有望企業に照準
政策・政治
【亜州ビジネス編集部】米商務省産業安全保障局(BIS)が今月15日に「エンティティリスト(EL、輸出規制リスト)」に追加した中国企業36社には、長江存儲科技(長江メモリー・テクノロジーズ、YMTC)などの業界大手以外に、深セン市鵬芯微集成電路製造有限公司(PXWセミコンダクター・マニュファクトリー)や合肥兆芯電子(フーフェイ・コアストレージ・エレクトロニック)など成長途上の半導体企業も見られた。米国は中国半導体業界で将来有力となり得る企業を全て抑え込む考え、との指摘が専門家から出ている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が21日報じた。
コペンハーゲン・ビジネススクールの中国半導体産業の専門家、ダグラス・フラー氏は「米国によるもぐらたたきゲームだ」と語る。米国が対中制裁に取り組むたびに、中国は新たなプロジェクトで対抗し、米国はそれを改めて封鎖しようとすると説明した。
香港市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのブラディー・ワン氏は「米国政府は中国の半導体サプライチェーンを熟知するに至り、(制裁の)優先順位の高い企業と成長潜在力を持つ企業をつかんでいる」と話す。
PXWセミコンダクターは、華為技術(ファーウェイ)が第5世代(5G)移動通信対応スマートフォンの復活に向けて、PXW製ICを調達すると10月に報じられた新興企業。ファーウェイの元幹部が経営し、深セン市政府から多大な資金支援を受けているとされる。
合肥兆芯電子は台湾IC設計大手、威盛電子(VIAテクノロジーズ)出身者が設立した。インテル(INTC/NASDQ)ベースのパソコン(PC)用プロセッサーを代替できる製品の開発を目指している。西側の貿易官僚は、米国は兆芯電子がスーパーコンピューター用IC、または先進メモリーの開発に取り組んでいる事実を把握したのではないかと指摘する。
輸出規制リストへの登載を受けて、PXWの従業員は「複数の米国企業に設備を発注しており、来年の納品予定だったが、届かなくなる恐れが出てきた」と語る。兆芯電子のエンジニアは「まさかわれわれが対象になるとは思っていなかった。驚きだ」と述べた。発展途上の有望企業は、ファーウェイのような大企業と比べて、米国の制裁による打撃がより大きくなると予想される。
■露光装置の「希望の星」も
中国半導体設備大手の上海微電子装備集団股フン有限公司(SMEE)も今回、輸出規制リストに追加された。同社は今年2月、中国メーカーとして初めて後工程用の先進露光装置を出荷するなど、国産露光装置の開発で「唯一の希望の星」と位置付けられていた。同社の露光装置は輸入部品に依存している。
人工知能(AI)用IC設計の北京中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)とその子会社9社も輸出規制リストに追加された。同社は一定量の米国技術が含まれる物資やサービスの入手を禁じた米国の外国直接製品規制(FDPR)の対象にもなっている。今後の製品開発に深刻な影響が及ぶことは必至だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
コペンハーゲン・ビジネススクールの中国半導体産業の専門家、ダグラス・フラー氏は「米国によるもぐらたたきゲームだ」と語る。米国が対中制裁に取り組むたびに、中国は新たなプロジェクトで対抗し、米国はそれを改めて封鎖しようとすると説明した。
香港市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのブラディー・ワン氏は「米国政府は中国の半導体サプライチェーンを熟知するに至り、(制裁の)優先順位の高い企業と成長潜在力を持つ企業をつかんでいる」と話す。
PXWセミコンダクターは、華為技術(ファーウェイ)が第5世代(5G)移動通信対応スマートフォンの復活に向けて、PXW製ICを調達すると10月に報じられた新興企業。ファーウェイの元幹部が経営し、深セン市政府から多大な資金支援を受けているとされる。
合肥兆芯電子は台湾IC設計大手、威盛電子(VIAテクノロジーズ)出身者が設立した。インテル(INTC/NASDQ)ベースのパソコン(PC)用プロセッサーを代替できる製品の開発を目指している。西側の貿易官僚は、米国は兆芯電子がスーパーコンピューター用IC、または先進メモリーの開発に取り組んでいる事実を把握したのではないかと指摘する。
輸出規制リストへの登載を受けて、PXWの従業員は「複数の米国企業に設備を発注しており、来年の納品予定だったが、届かなくなる恐れが出てきた」と語る。兆芯電子のエンジニアは「まさかわれわれが対象になるとは思っていなかった。驚きだ」と述べた。発展途上の有望企業は、ファーウェイのような大企業と比べて、米国の制裁による打撃がより大きくなると予想される。
■露光装置の「希望の星」も
中国半導体設備大手の上海微電子装備集団股フン有限公司(SMEE)も今回、輸出規制リストに追加された。同社は今年2月、中国メーカーとして初めて後工程用の先進露光装置を出荷するなど、国産露光装置の開発で「唯一の希望の星」と位置付けられていた。同社の露光装置は輸入部品に依存している。
人工知能(AI)用IC設計の北京中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)とその子会社9社も輸出規制リストに追加された。同社は一定量の米国技術が含まれる物資やサービスの入手を禁じた米国の外国直接製品規制(FDPR)の対象にもなっている。今後の製品開発に深刻な影響が及ぶことは必至だ。
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